人とは違う恋愛感を持つ人に読んでほしい「流浪の月」

性的少数派の苦悩に焦点を当てた「流浪の月」。世の中には自分の心の内を話すことを許されない人が大勢いる。それを教えてくれる小説。 好きなこと

2020年の本屋大賞受賞作

本日紹介する本はこちら。
凪良ゆうさんの「流浪の月」だ。

同じ著者の「汝 星のごとく」もほんとのほんとに良作なので是非。

流浪の月の美しい表紙写真。
本屋大賞を全部読みたくなり、
有名タイトルなのでまず手に取ってみた。

5点満点中、5点の満足度だった。

本作のテーマは

「人によって事実と真実は違う」だ。

自身で撮影した汝、星のごとくの表紙。暗い部屋と青い綺麗な表紙の雰囲気が美しい。
これが「汝、星のごとく」の表紙。
美しい表紙だったため、フィルムで撮った。
暗い雰囲気と表紙が美しくない?

登場人物たちのプロフィール(まだネタバレなし)

主人公の更紗はかつて誘拐された可哀そうな女

更紗の彼女の亮くんは彼女想いの一途な男

更紗をかつて誘拐した文はロリコン男

映画「流浪の月」キャスト。美男美女揃い。
これが「流浪の月」実写映画のキャスト。
ちなみに横浜流星と広瀬すずは
「汝、星のごとく」でも主演である。

「事実なんてなくて、物事の解釈の違いがあるだけ」
更紗も作中で語っている。

以上に挙げたのは客観的に見ると全部事実。

だけど、全部真実じゃない。

人によって解釈は違う。

ほんとにめちゃくちゃ当たり前のことだが、
人間はいつもこれを忘れる。

人と喧嘩するときなんて漏れなくそう。

一つの事象に対し、2人が見ている側面が違えば当然解釈が異なる。

それでも自身が見えている側面をもとに、
相手を悪者にしようとする。

余程変な奴との喧嘩する以外に、一方が100%悪いなんてことはまぁない。

ブログでこんなこと言っている僕もこのことを忘れがち。
いつも喧嘩になってしまう皆様、ごめんなさい。

ここより先は結構なネタバレを含みますので、
既に本書を読了した方のみどうぞ!!

パッと見はストーカーでもそうじゃないかも

「器の中にどんな水が注がれているかは関係ない。器の形がストーカーだということが問題。」

という言葉が作中に出てくる。

これも解釈の違いだ。

文の彼女(厳密に言うと彼女ではない)は、更紗をストーカーだと言った。
しかし、更紗は文をストーカーしようとしている人を捕まえるため、文に付き纏っている。

どちらも自分が真に正しいと思うからこそ、生まれた行動。


解釈の違いだが、これを素直に受け入れる大人さが更紗にはあった。
僕が更紗ならば必ず口論になっているだろうなぁ。

もう一つの解釈の違いエピソードはこちらだ。

高校時代の文は同級生の女の子を恐れていた。
どんどん成長していく体を見ると、
自身の未発達さへの劣等感が浮き彫りになるからだ。
周りの男子たちはそれを楽しそうに見ているが、
自分は全く違った感情で見ている。
それはすごい恐怖だと思う、僕には全く想像できない。
でも実際こうやって悩んでいる人もいるだろう。

終盤で、文が実はロリコンではないことが回想で明言される。

文が女児をずっと公園で見ていたのは「自分に男性性を期待しない女性」を見ている間だけ、性の恐怖から逃げることができたからだ。

作品を読んでいる最中は「なんで男児だとダメなんだろう」と思っていた。

しかし文は、女性でありながら、
文に対して男性性を強要しない存在を求めていた。

だから最終的に更紗と一緒に住むことができた。
更紗も作中に何度も、「文とは寝たくない」と明言している。

実際にこんなことってあるのか疑問だったが、僕の知り合いがそれに近い価値観を持っている。
羨ましくもあるし、同時に苦労することも多そうな人生を送っているのも事実。

タイのホテルで西日が美しく撮った写真。オネェが多いのはなぜだろう。
タイのホテルで撮った写真。
なぜタイには性別の壁を越えた人が多いのだろうか。

「流浪の月」の僕的最感動シーン

「わたしと文の関係を表す適切な、
世間が納得する名前はなにもない。
逆に一緒にいてはいけない理由は山ほどある。
わたしたちはおかしいのだろうか。
その判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。
わたしたちは、もうそこにいないので。」

というシーンが終盤にある。

レビューサイトを見ると、このシーンを「悲しい」と書いている人が一定数いた。

なんでそうなるんだろう?

僕は「めっちゃ美しいなぁ」と感じた。

「世間とは異なる生き方を選んだけど、自分たちは満足している」という
ある種の諦めであり、自分たちだけが感じられる幸せを見つけることができた。

それってめっちゃ美しくないか?

更にその後の文の心理描写で
「もういいだろう?これ以上、なにを望むことがある?」
という言葉が出てくる。

更紗のことを「自由の象徴」と称え、
その更紗を心から愛していることが分かるこのシーン。

これでなんで悲しいと思ったのか本当に疑問。

全てが綺麗に合ったパズルのピースみたいな2人。

この世の中でそんな相手を見つけることは本当に美しく、幸せだろうと強く感じた。
「足るを知る」という言葉を体現したような描写ですごく気に入っている。

自分にも将来、子供が生まれるかもしれない。
その時にこんな美しいマインドになれていたらすごく幸せだろう。

奥様と結婚する前に
「○○(私の名前)との結婚なら、もしも子供ができなくても幸せになれる」
と言われたことがある。
それと似たようなマインドだよなぁ。

僕の奥様も、世間から見ると出来の悪い僕という器に、愛を注いでくれている。

僕らの関係もめちゃくちゃ素晴らしいじゃん、って思えたきっかけになる本だった。

終わりに

訳あって一時的に海外に行っており、3回連続で投稿ができなかった。
そもそも日本国外からだとブログ投稿できないことを初知り。

これ船乗ったらどうすればいいんだろう?

船に乗ってもブログを続けたいので早急に対策を考えねば。

乗船が少しずつ、確実に近づいてきている。

よく乗船前に鬱っぽくなる人がいるというが、僕はあまりならないタイプ。

いっぱい学びたいという意欲に溢れているタイプなのだ。

青い空とカラフルなコンテナの写真。
5年ほど前に乗っていたコンテナ船で撮った一枚。
この時から色々あったなぁ。

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